スマホ脳|スマホ依存が脳にもたらす影響とデジタル社会で健康に生きる方法を考える

スマホ脳,要約心理学
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平均で一日四時間、若者の二割は七時間も使うスマホ。だがスティーブ・ジョブズを筆頭に、IT業界のトップはわが子にデジタル・デバイスを与えないという。なぜか?睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下、依存―最新研究が明らかにするのはスマホの便利さに溺れているうちにあなたの脳が確実に蝕まれていく現実だ。教育大国スウェーデンを震撼させ、社会現象となった世界的ベストセラーがついに日本上陸。(「BOOK」データベースより)

今回紹介するのは『スマホ脳』。

著者はアンデシュ・ハンセンさん、2020年に久山葉子くやまようこさんの翻訳で新潮社より発売されました。

最強脳『スマホ脳』ハンセン先生の特別授業|運動することであらゆる能力が向上する
コロナ禍で自宅時間が増え、大人も子供もスマホやパソコン、ゲームやSNSに費やす時間が増えていませんか?欧米では運動不足や睡眠不足、うつになる児童や若者の増加が問題になっています。記憶力や集中力の低下、成績悪化、心の病まで引き起こす、そんな毎...

【どんな本?】
デジタル関連の習慣、ライフスタイルの急速の変化が人にどのような影響を与えるのか、様々な研究データを基に問題提起した本。

【こんな人にオススメ】
・スマホに触れてる時間が長いと自覚している人
・SNSやネット上での交流に疲れている人
・人生に対して憂鬱や不安を感じている人

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『スマホ脳』のあらすじ、内容

1章 人類はスマホなしで歴史を作ってきた

人間の脳はデジタル社会に適応していません。

なぜなら、人類の歴史の99.9%は狩猟採集の生活だったからです。

カロリーの高い物を好んで食べるのも、安全で豊かな生活をしていても不安が絶えないのも、狩猟採集生活の名残。

この1万年人の脳は変化していない、つまり脳は今でも当時の生活様式に最適化された状態なのです。

2章 ストレス、恐怖、うつには役目がある

危険の多かった世界で生き残るために必要だったストレスや恐怖心は、現代ではうつの原因となりました。

HPA系(ストレスシステム)を作動させる偏桃体は、周囲の刺激に対して簡単に反応を起こします。

外で大きな音がする、会議に遅れそう、インスタの投稿にハートがつかない、現代がいかに刺激に満ちているか容易に想像できるでしょう。

3章 スマホは私たちの最新のドラッグである

私たちは1日に2600回以上スマホを触り、10分に一度スマホを手に取っています。

「新しい知識を渇望する欲求」と「不確かな結果を好む」人の性質を利用して、スマホは人の脳をハッキングしたのです。

チャットの着信音が聞こえスマホを手に取り、ついでにSNSに投稿した写真に反応があるかチェック、そこでシェアされていたニュースの記事を読んでいると、記事中にあったスニーカーの広告に興味を引かれ、スニーカーを見ていると親友がインスタに新しい投稿をした通知に中断される、、

このように新しい情報と刺激でグルグル振り回すのが、スマホが脳をハッキングするメカニズムです。

4章 集中力こそ現代社会の貴重品

スマホは私たちの集中力や作業記憶を奪っていきます。

スマホをポケットにしまっているだけで集中力は阻害され、スマホを触りたい欲求に抗うことで他の作業をするための容量が減ります。

授業中や仕事中でもスマホのことが忘れられなくなり、一緒に食事をしている相手に関心を持てないばかりか、つまらないとすら感じるようになります。

5章 スクリーンがメンタルヘルスや睡眠に与える影響

スマホを強制的に手放すと、体内ではストレスホルモンであるコルチゾールのレベルが上昇します。

短いスパンで大量の報酬と体験をくれるスマホを失うことで、脳はパニックを起こすのです。

スマホがうつになる危険性を高めていることは明白ですが、最大の影響はスマホが「時間を奪うこと」にあります。

スマホに時間をとられることで座りっぱなしの時間が増え、うつを予防してくれる運動や人付き合い、睡眠を充分にとれなくなるリスクがあります。

6章 SNSーー現代最強の「インフルエンサー」

SNSは「常に周囲のことを知っておきたい」「自分のことを話したい」という人間の欲求を刺激して広く普及しました。

そしてSNSを通じて人は比較にさらされるようになり、それが精神状態を不安定にさせます。

自分より容姿が優れている人、自分より賢い人、自分より成功している人がいるという情報を常に目の当たりにするのだから、無理もない話です(たとえその情報が表面上のものだったとしても)。

 

他人の考えや気持ちを理解しようとするミラーニューロンは、直接人と会っている時以外ではあまり活性化しません。

つまりスマホの画面を眺めていても、共感力は育たないかもしれないということです。

実際に1万4000人の大学生を調査したところ、他者への共感能力と感受性が特に下がっていることが確認できたそうです(自分のことにしか興味がないナルシズム傾向が増えている)。

共感力が弱まっている原因がデジタルライフであると断言はできませんが、それらを示す兆候はいくつもあります。

7章 バカになっていく子供たち

ポテトチップスを前にした時、脳内で「全部食べてしまえ」という指令が出されます。

同時に、前頭葉が「全部食べたら太るぞ」とブレーキをかけます。

このように、前頭葉は衝動をおさえて報酬を先延ばしにできますが、成熟に最も時間がかかることが分かっています。

つまり若者は、目の前の報酬に対して自分の意思で歯止めをかけることが難しいのです(若年層のアルコールを規制しているのは依存症リスクが大きいため)。

 

レストランでスマホばかり眺め、学校でも、移動中のバスでも、ソファでもスマホを眺め、親にスマホを取り上げられたら泣きわめく。

前頭葉が未発達な子供と若者にはデジタルテクノロジーはあまりにも魅力的なのです。

研究者たちは、子供が能力を発揮するために毎日最低1時間の運動、9~11時間の睡眠、スマホ類の使用は1日2時間以内にすることを推奨しています。

【スマホがもたらす悪影響】
・衝動的になりやすくなる
・自制心が上手く働かなくなる
・集中力がなくなる
・記憶力が悪くなる
・精神不調になる(うつや睡眠障害)

なお、研究者たちはスクリーンのついた端末すべてに警告を発しているわけではありません。

使用者が節度を持って使えるようになるまでは、扱いに気を付けた方がいいということです(それは大人にとっても難しいことですが)。

8章 運動というスマートな対抗策

運動がストレスや不安にいいことは言うまでもありません。

加えて集中力と記憶力アップ、様々な知的能力が運動によって向上させられることもわかっています。

運動の効果は軽い散歩程度でも確認でき、その答えはやはり私たちの祖先の生活にあると考えられます。

狩りをしている時や危険から逃れる時、つまり運動している時に能力を最大限に発揮できるよう脳は進化してきたのです

9章 脳はスマホに適応するのか?

ニュージーランドの大学教授ジェームズ・フリンによると、上昇し続けていた人類のIQは90年代終わりごろから下がり始めているそうです。

その原因として昔ほど読書が推奨されなくなったこと運動する時間が減ったことが挙げられますが、情報量の多さに処理が追い付かなくなった可能性も考えられます。

そしてスマホやパソコンなどの影響も気になるところですが、研究には時間がかかります。

現在のデジタルの影響を知るには、研究結果が発表される3、4年後まで待つ必要があるのです。

そのため、以前よりも不安になった、集中力が落ちたと感じるなら、自主的にスマホを遠ざけることも考えた方がいいかもしれません。

【心身ともに健康に過ごすコツ】
・睡眠を優先する
・身体をよく動かす
・社会的な関係を作る
・適度なストレスにさらす
・スマホの使用を制限する

10章は割愛

『スマホ脳』の感想

①時間の使い方を見直すキッカケになった

書店に行けば大量に平積みされて、ネット上のベストセラーランキングにずっと表示されていた本書。

タイトルと評判から「スマホ依存は脳によくないってことだろう」と察して、わざわざ読もうとは思っていませんでした。

なぜならスマホ依存が脳によくないという話はたびたび耳にしていたし、スマホに無駄な時間を取られていることを自覚もしていたからです。

 

しかし、自覚を持ちながらも僕のスマホ依存は改善されていませんでした。

「デメリットがあっても魅力的すぎる」「便利で役立つツールだから今から手放すのは不可能」

心のどこかでそんな風に考えていたからです。

しかし、それこそがもうスマホ依存であることに気づくべきでした。

 

本書を読むことで、「スマホ依存が脳に良くない」というざっくりした認識に細かな輪郭が与えられ、自分のスマホライフを見直すキッカケになりました。

自分が特にスマホをいじっている時間は、食後と就寝起床前後。

なんとなく意識もせずにダラダラ使っていましたが、よく考えたら1、2時間は平気で溶かしていたことに気づきゾッとしました。

②スマホの話以外でも面白い情報が満載

『スマホ脳』ではスマホの話題だけを扱っていると思っていましたが、脳科学、遺伝子学、心理学の観点から因果関係が丁寧に紐解かれていました。

スマホがなぜ脳に良くないのかを説明するためには、祖先の生活様式や脳の構造を理解する必要があるからなんですね。

 

社会的地位と精神の健康の関係。

うつの症状が持つ本当の役割。

緊張すると心臓の鼓動が速くなり汗をかく理由。

不安や心配を感じやすいのが人間の基本特性である理由。

前頭葉の発達が遅い理由、などなど。

 

起こるから起こるものだと思っていた生理現象にも、明確な役割が決まっていたことを知って目からウロコ。

多くの機能が現代社会とマッチせずにエラーを起こしているという事実は、甘いお菓子が大好きな自分には納得の話でした。

③問題にどう向き合っていくかは自分で考え続けるしかない

筆者はスマホを全否定しているわけでもないし、祖先のライフスタイルに戻そうと提唱しているわけでもありません。

まだまだ未知の部分が多いゆえに問題を提起しているのです。

実際に多くの時間スマホを触っていても、すぐに何らかの影響が出るわけではありません。

さらに怖いのは影響が出ても因果関係が分かりづらい、つまり「スマホが原因かもしれない」という考えに辿り着かないことだと思います。

 

本書で紹介されている様々な研究結果が示唆するように、過度のスマホ利用が脳にもたらす影響は想像以上に大きいのかもしれません。

心身の不調に悩んだ時「スマホ依存」も考えられる原因の一つに入れた方がいいと思うのは、決して大袈裟な話ではないでしょう。

どれだけ利用するか、どう利用するかが各々の裁量に任される以上、国や企業、社会の結論や指導を待つより自分でバランスを考えた方がいいと思いました。

まとめ

ここ最近のこと。

友達がメンタルを病んで精神病院に入院したのですが、まず最初にスマホを没収されたそうです。

スマホは数日後に返却されましたが、利用できる時間が決められていました(午前10~16時まで)。

治療の一環としてスマホ制限が行われることは、もはや当たり前のことなのかもしれません。

また、キャンプ好きの友達が「山奥のキャンプ場はスマホの電波が入らないからいい」と言っていたのも、印象的でした。

 

入院したりキャンプに行かなくても、ゆっくりと疲れを癒してリラックスしたい休日には、スマホを持たずに出かけてみるのもいいかもしれませんね。

スマホがすべて悪いとは思わないし、必要なうちは手放すこともないと思いますが、過度な利用に気を付けて無意識にいじるのをやめられたらと思います。

 

ただ、スマホの魔力は本能を刺激してくるので抗いがたいもの。

「気を付けよう」で気を付けられる自信はないし、自分の意志の強さが本能に勝るとも思いません。

現在はスマホの契約会社を楽天モバイルに変えて「使い過ぎたら追加料金発生」を抑止力にしていますが、今後の研究や自覚症状次第では子供向けのスマホ制限アプリの導入も考えています。

最強脳『スマホ脳』ハンセン先生の特別授業|運動することであらゆる能力が向上する
コロナ禍で自宅時間が増え、大人も子供もスマホやパソコン、ゲームやSNSに費やす時間が増えていませんか?欧米では運動不足や睡眠不足、うつになる児童や若者の増加が問題になっています。記憶力や集中力の低下、成績悪化、心の病まで引き起こす、そんな毎...

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