15人のプロが教える文章上達法を読んだ|『みんなどうやって書いてるの? 10代からの文章レッスン』

単行本・文庫本
oplus_0
当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

みんなどうやって書いてるの? 10代からの文章レッスン (14歳の世渡り術)』を読みました。

編者は小沼理、発売は2024年、河出書房新社から。

開催中のAmazonキャンペーン

【開催中のAmazonキャンペーン】
Kindle Unlimited
Audible
Amazon Music Unlimited

内容/あらすじとか

自分に合った言葉を見つけるには? 上手に伝えるコツ、正確な記述、あるいは日々の体験を、 感じた瞬間のままに描写するにはどうすればいいか…..いま「書く」ことの第一線に立つ15人が、それぞれの考えと方法、喜びや苦しみを綴る。これから筆をとる人も、書きあぐねている人にも、その背を支えるアンソロジー集。

Amazonより

『みんなどうやって書いてるの? 10代からの文章レッスン』の感想/レビュー

作家、詩人、エッセイスト、お笑い芸人、学者など、各界で「書くこと」に携わっている著名人たちが、どんなことを考えながら文章を書いているのか、どんな方法で文章を書いているのかを自由に語ったアンソロジー。

文章を書くにあたってすぐに使えそうな方法もあれば、一風変わった書き方、ひたすら自分語りをしている項もあって面白い。文章を書くモチベーションを上げる目的でも、たんなる読み物としても楽しめました。

文章を書くことは自分の感覚を言語化することで、言語化を行うには語彙力が必要。そして語彙力を増やすには本をたくさん読みましょう、と。言い方は違えど、複数の書き手が「たくさん読むこと」を推奨していたのが印章に残りました。

またお笑い芸人・ランジャタイの国崎さんのパートは、アドバイスらしいアドバイスもなくボケ通しの文章。しかし後半からの内容は急にセンチでエモーショナルになり、気づけば自分も文章を書きたくなっていました。方法論を説くより見たほうが早いと言わんばかりに、文章の持つ可能性と面白さを見せられた気分です。

『みんなどうやって書いてるの? 10代からの文章レッスン』のハイライト/印象に残った箇所

最初から綺麗な完成形を作ろうとしない

試しに、海へ行った日のことを書くとしましょう。もしも「海へ行った。楽しかった」以上のことが書けないとき、どうするでしょうか?私の場合はまず、「思いついたことを五分間ひたすら書き出してみる」という方法を試します。文章が整っていないとか、これでは単語を羅列しているだけだとか、一切気にせずに手を動かします。「暑かった」「ビーチバレーをした」「遠くまで泳いだ」「かき氷」「次の日は日焼けが痛かった」「海水の味」……。(小沼 2024:13)

冒頭からいきなり参考になった文章の作り方。決して画期的なやり方ではないと思いますが、長く文章を書いていると忘れがちです。

新しい文章を書く時、その都度ゼロから新しいものを作ろうとするのは難しく、唸るばかりで何も出てこなかったりします。そんなときに自分なりの文章の組み立て方のフォーマットのようなものがあると、作業的に骨子を作っていくように、穴埋め問題を解いていくように筆が乗りやすくなると思います。

文学を読むと、自分の偏見から自由になる

「パターンから抜け出すためには、たくさんのパターンを知る」これしかないと思う。私は十代までほとんど本を読まなかった。それでも何の問題もなかった。しかし、二十歳以降、生きづらさを感じるようになった。いろんな文学を読むようになって気づいたのは「これまでは少ないパターンの物語にはまっていたんだなぁ」ということだった。物語のパターンが増えると、書くことに役立つだけでなく、人生の生き方ももっと自由に幅広くなるし、挫折や絶望を経験したときにも、人生の物語をそこから新しく書き直せるようになる(小沼 2024:74)

本を読むことは語彙力を増やすだけでなく、他者の価値観や考え方のパターンも増やしてくれます。

人は自分が感じられることしか表現できない

言葉を知っていれば、当たり前ですが、たくさんのことが表現できます。しかし、それだけではありません。なぜなら、あなたはそもそもの言葉を使って頭の中で考えているのだから。つまり言葉は表現する道具であると同時に、あなたがいろいろなことを考え、思いを巡らすために必要な道具でもあるのです。語彙を増やさなければ、表現力が乏しくなるだけでなく、考える力も養われません。考える力がなければ、「感じられることができる範囲」が狭くなってしまうことは、言うまでもないでしょう(小沼 2024:203-204)

同様のことは、こちらの本にも書かれていました。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました