創作力トレーニング|楽じゃないけど確実に成長する方法

創作力トレーニング新書
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詩や脚本、小説などの文学作品をはじめ、漫画、手紙、新聞コラム、企画書、宣伝文など、さまざまなジャンルの文章表現を理解して、自分で作品を創り、さらに分析・解説してみよう。言葉と表現をみがいて〈創造力〉をきたえ、社会につながる文章を書くための楽しい手引。

原和久(2005) 『創作力トレーニング』裏表紙 岩波書店

今回紹介するのは『創作力トレーニング』。

作者は原和久さんで、2005年に岩波書店より発売されました。

【どんな本?】
詩、脚本、漫画、小説など、様々な文学作品を例に挙げながら、創造力を鍛える方法を紹介したワークブック。

【こんな人にオススメ】
・文章表現に関わる仕事をしている人
・自分の言葉で表現できるようになりたい人
・創造性や想像力を高めたい人

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『創作力トレーニング』のあらすじ、内容

何かを発想し、想像力を働かせてオリジナル作品を創造し、外に向かって表現する力を「創作力」といいます。

本書では創作力を高めるために、言葉(文章)による表現に着目。

実際に筆者が教えている学生たちの作品を参考にしつつ、様々な課題に取り組めるようになっています。

・好きな作品のオリジナルエピソードを作る(その作品の文体を真似て)
・好きな漫画のワンシーンを小説化する
・好きな文学作品の世界を詩で表す
・好きな詩をもじってパロディー作品を作る etc

『創作力トレーニング』で印象に残った箇所

『創作力トレーニング』で印象に残った箇所は3つあります。

①豊かな言語生活が人生の質を決める
②書くことは内面の観察であり、社会との関わりでもある
③表現しなければ伝わらない

順に説明していきましょう。

①豊かな言語生活が人生の質を決める

たとえば、詩を書いて感情を表したり、漫画や小説を書いて想像力を養ったり、新聞に投書して意見を表明したりすることも、「映画」を見たり「音楽」を聴いたりすることと同じくらい、生活に潤いを与えるための大切な要素なのです。実際、社会人になってからの人生の質を決めるのは、どれだけ豊かな言語生活を送ることができるかにかかっているといっても過言ではありません。(原 2005 : ⅳ)

筆者にはアメリカの学校で日本語を教えていた時期があるそうです。

そこで感じた日本との違いは、生徒たちがごく日常的に詩や小説を作って楽しんでいることでした。

読解力や正確性を重視する日本の国語教育は受動的になりがちですが、そこから一歩進んで自分が感じたことや考えたことを表現する力は生活をさらに豊かにしてくれます。

つまり、社会人になってからの人生の質を決めるのは、どれだけ豊かな言語生活を送るかにかかっているのです。

②書くことは内面の観察であり、社会との関わりでもある

理解し感動したことや一生懸命に考えたことを、拙くてもいいから、試行錯誤しながらでもいいから、誰かにきちんと「伝える」練習をしてみましょう。それは、きっと社会に働きかけ、他の人々と共に生きていく練習にもなるでしょう。「書く」という行為は、静かに自分の内面を見つめることでありながら、同時に社会に向けて行動する第一歩にもなり得るのです。(原 2005 : 173)

自分の考えたことや感じたことを書くことは、一見独りよがりの作業に思えます。

しかし、そこには受け手をイメージして、適切な表現方法や手段を考えるプロセスがあります。

つまり、書くことは内面の観察と社会への働きかけがセットになっているのです。

逆に言えば、内面の観察、受け手のイメージ、どちらが欠けても表現として成立しなくなるので、文章を書くときは常に頭に入れておきたいことだと思いました。

③表現しなければ伝わらない

現代は、価値観の多様化した時代だと言われます。価値の多様化といえば聞こえはいいですが、これは実は大変なことなのです。なぜならば、このような社会では、みんな自分のことに忙しく、自分から積極的にアピールしなければ、誰もあなたの感情や考えに気をとめてはくれないだろうからです。たとえ、豊かな感情やすばらしい考えをもっていたとしても、表現しなければ誰にも伝わりません。誰かに伝えなければ、せっかくの感情や考えも単なる自己満足で終わってしまうでしょう。(原 2005 : 179−180)

本書が書かれたのが2005年。

誰もが自由に表現できるようになり、現在は価値観の多様化がさらに進んだように思います。

そのため、効果的に伝えることの重要性はより高まっており、必須能力であると言っても過言ではありません。

『創作力トレーニング』の感想

①ワーク形式になっていて楽しい

本書で紹介される創作力トレーニングは、読みながら実践できるワーク形式になっています。

その流れは「書く」以外の創作にも応用できると思いました。

①既存の作品を読んで文体や表現の工夫を分析
②既存の作品を参考にして応用創作
③作品の推敲、改善、完成
④作品の自己分析、解説、批評
⑤次の作品を創作

②自分の文章を自分で解説するのは修行法として良さげ

自分で書いた文章を自分で分析、解説するのはいい訓練になると思いました。

実際にブログを書いていて、見直しにより改善点や無意識に行っていた工夫が見つかることが多々あるからです。

なんとなくで使っていた工夫も、頭で理解していれば意識的に使えるようになります。

これは創作以外、スポーツなどでも同じことが言えるのではないでしょうか。

③再現性の高い方法だと思った

知識として理解した文章の様式を、自分のものとして吸収し、自覚して文章を書く、という練習を積み重ねることが、結局は自分らしい「オンリーワン」の文章を書けるようになる近道なのです。(原 2005 : 171)

創作と聞くと0から自分で作らなければいけない気がしますが、ここで紹介されているのは言ってしまえばマネからです。

最初は既存の作品や様式のマネから始めて、それを繰り返すことで自分なりの型が生まれると筆者は述べています。

見本となる型があって、それをマネすることで自分なりのメソッドが作られていく。

土台ありきのオリジナリティという考え方は、創作において最も再現性が高いと思います。

まとめ

クリエイティブなことをしたいと意気込んで、何も浮かばずに挫折したことがある人は意外と多いのではないでしょうか。

本書はそんな人向けの確実に創作力が高まる方法と言えます。

ただ、最初はオリジナリティからは程遠いし、コツコツ続ける必要があるので、長い道のりになると思います。

これを読めばいきなり創作できるようになるというわけではないので、ここからスタートするくらいの気持ちで読むといいかもしれません。

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