ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代|凡人が成功者になるための必読書

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本書は、「本性」としてリスクを回避しようとする「ふつうの人々」が(ふつうの人だからこそ)、流れに逆らう不安や恐怖をはねのけて、「オリジナルな何か」を実現させるためのさまざまなヒントを数多く含んでいる。

アダム・グラント(2016)『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』(楠木建 訳)カバー袖 三笠書房

今回紹介するのは『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』。

2016年にアメリカの心理学者アダム・グラントさんによって書かれ、楠木建さんが翻訳しました。

『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』はどんな本?
独創的なアイデアを実現させるために行動を起こす人間になれる!
誰もが「オリジナルな人」になれる根拠と具体的な方法を紹介した本。

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『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』のあらすじ、内容

本書では「オリジナルな人」を「独創的なアイデアを実現させるために行動を起こせる人」と定義しています。

それは一部の天才やエリートを指す言葉ではなく、誰でも意識的になれるもの。

その考えを裏付ける多くの事例を挙げながら、話は進んでいきます。

 


・独創的なアイデアは白紙から生み出されるのではなく、既存のルールやシステムを疑うことから生まれる。
・熱意は外側に表れる感情からは分からないため、オリジナリティを阻害することがある。
・オリジナルな人はある分野でリスクを冒す時、別の分野で慎重に行動する傾向にある。

 

凡人がオリジナルな人になるためのヒントは、意外ですが突飛ではありません(聞けば当たり前のことばかり)。

その範囲は個人としての立ち回りから組織の在り方まで多岐にわたり、社会の中で個人がどのようにオリジナリティを発揮すればいいのかが具体的に記されています。

『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』で学んだ3つのポイント

『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』で学んだことは3つあります。

①「オリジナルな人」は誤解されている
②凡人でも「オリジナルな人」になれる
③「オリジナルな人」になるためには勇気が必要

順に詳しく説明していきましょう。

①「オリジナルな人」は誤解されている

全体を通して繰り返し強調されているのは、「オリジナルな人」は天才ではないということです。

「オリジナルな人」に必要だと思われていた資質が、必ずしも必要でないこと。

凡人にありがちだと思われていた特徴が、独創性という点で見たら優位に働くこと。

こういった事例がいくつも並ぶ中、個人的に興味深かったのは以下の点でした。

・成功者にはリスク回避型が多い
・先延ばしが創造性を高める
・先駆者が成功するとは限らない

いずれも自分の想像する「オリジナルな人」の持つイメージとは正反対。

リスクを恐れる、物事を先延ばしにする、最初に動かない。

これらの特徴は、むしろ自分のような凡人にこそ当てはまるような…。

②凡人でも「オリジナルな人」になれる

誤解が解けたところで、次に浮かぶ疑問は「どうすれば凡人がオリジナルな人になれるか」。

「革新的なアイデアは勝手に降ってきます」

なんて言われれば凡人には難しい話になりますが、そのからくりを知るとオリジナリティが誰にでも再現可能な気がしてきます。

・大量生産が良質なアイディアが生む
・「幅広い経験」×「深い経験」が創造性を加速させる
・偉大な発明や作品は若さの特権ではない

作中ではピカソやアインシュタインを例に挙げて、彼らですら傑作の裏でそれらを遥かに上回る凡作を生み出していることを指摘しています。

 

また若い時から革新的な作品を作るタイプもいれば、様々な経験と試行錯誤の組み合わせで偉大な作品を作るタイプもいて、両者は以下のように分類されます。

・概念的イノベーション…アイデアを思い描き実行に移すタイプ
・実験的イノベーション…試行錯誤を繰り返して学び進化を遂げる。最初から具体的なアイデアがあるわけではなく取り組みながら見出していくタイプ。

どちらが凡人でも再現可能かは…言うまでもありませんね。

③「オリジナルな人」になるためには勇気が必要

「オリジナルな人」には好奇心が強い、周りに同調しない、反抗的という3つの特徴が備わっているそうです。

しかし、彼らは不安や恐怖を感じないわけではありません。

はた目には自信に満ちているように見えても、内心では様々な感情や自己不信が入り混じっています。

 

最終章では、そんな不安や恐怖を克服するための方法を、北極海での遠泳に挑戦したルイス・ピューを参考にしながら紹介しています。

どんなにオリジナルなアイデアを持っていても、それを実行に移せなければ「オリジナルな人」とは言えません。

その時にぶつかる逆境、孤立するかもしれない恐怖、間違っているかもしれないという不安、諸々の感情を克服する勇気を持つことが大切なんですね。

「勇気とは恐れがないことではなく、恐れに打ち克つことなのだと私は学んだ……
勇敢な者とは恐れを知らない者ではなく、その恐れを克服する者だ」

(南アフリカ共和国元大統領ネルソン・マンデラ)

『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』の感想

古今東西の「オリジナルな人」たちのエピソードは、どれも意外性があって示唆に富んでいます。

おかげで本書を読み終える頃には、成功者や独創性への考え方が丸ごとひっくり返っていました。

同時に、成功者を才能で片づけることを叱咤されているような気もしました。

それは成功者に対して失礼とかって話ではなく、そうすることで自分の可能性が閉じてしまうから。

とにかく打席に立ちまくること、天才でも打率は3割以下。

成功したいなら、王子が見つかるまでカエルにキスしまくれ。

試行錯誤と継続は凡人にも使える強力な武器なのです。

 

もう一つ、印象深かったのは「オリジナルな人」になるために必要な勇気について。

人の本性は既存のシステムやルールにハマることを好む(その方が楽だし安心するから)。

この傾向は日本だけでなく、アメリカでも見られるという話は意外でした。

 

そこから外れる恐怖、オリジナルなことに挑戦する不安。

そういった感情を克服する方法としての「落ち着け!」は逆効果(アクセルを踏み込みながらブレーキをかけるようなもの)。

強烈な感情は落ち着かせるよりも、別の感情(興奮など)に置き換える方が効果的。

そうして「やろう」という意志が固まってから、また不安に襲われた時には防衛的悲観主義が役立つ。(防衛的悲観主義:最悪の結果を想定して、不安を感じながら起こりうる悪い事態を予測する)

心理学者のノレムの解説によると、いったん最悪の事態を思い浮かべると「コントロール感が得られる。ある意味、本番がくる前に不安が最高潮に達している。だからいざ本番になると、ほぼすべての対処がすんでいるのだ」。

(楠木 2016: 333)

 

感情の置き換えと防衛的悲観主義の使い分けは非常に難しそうですよね。

防衛的悲観主義は、課題に対する確固たる信念があるときに貴重なカギとなる。しかし信念が揺らいでいると、不安や疑問が裏目に出る恐れがある。

(楠木 2016: 329)

しかし、この考え方は、『ブッダの獅子吼』に書かれていた苦しみとの向き合い方に似ていると思いました。

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悩みや苦しみ、執着などを消す合理的な教え…瞑想や座禅、マインドフルネスの先を行く、釈迦の真の悟りとは?法に目覚める30の要点!!(「Amazon」商品説明より) 今回紹介するのは『ブッダの獅子吼ししく 原始仏典・法華経の仏教入門』。 ...

宗教は科学の対極に思えますが、原始仏典は現実に即した実践を旨としてきました。

そこに現代になって明確な根拠が与えられるのは面白い話だと思いました。

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