『生きるためのブックガイド 未来をつくる64冊』を読みました。
編集は岩波ジュニア新書編集部、発売は2025年、岩波書店から。
内容/あらすじとか
自己と対話し,他者を知る.世界を学び,未来をつくる.新しい何かを生み出す.きちんとした知識を得るためにも,あなたがあなたであることを妨げられないためにも,本を読んで考える営みを知ってください.新書,人文書,自然科学書,ノンフィクションなど「小説・物語」以外の本を紹介する,新しい読書案内.創刊1000点記念!
作者(20025)『生きるためのブックガイド 未来をつくる64冊』裏表紙 岩波書店
『生きるためのブックガイド 未来をつくる64冊』の感想/レビュー
何かを学んだり、情報を集めるのに本である必要はありません。しかし情報が溢れすぎている現代で、質のいい情報を判別するのは難しいことです。その点、よい本には筆者が磨き抜いた思考、積み上げた知識が凝縮されています。本を読むことは時間のかかることですが、じつは効率的な営みなのです。
しかし本にしても、非常にたくさんある中から読む本を見つけるのは難しい問題です。本書はそんな人向けに、さまざまな分野の著名人がおすすめの本を紹介したブックガイドとなっています。
この手の本のおもしろいところは、自分の興味関心からは出会えないような本に出会えることです。偏った読書は、知識の偏りや偏見を強めてしまうという皮肉な事態にもつながりかねません。好き嫌いせず雑食多読な時間を作ることは、より自由に生きるために必要なことだと思います。
『生きるためのブックガイド 未来をつくる64冊』のハイライト/印象に残った箇所
おすすめ本『なぜ働いても豊かになれないのか――マルクスと考える資本と労働の経済学』
本書では全編にわたって、私たちが資本主義社会の中で無意識に培った価値観や、自明のものとしてきた概念を丁寧に解体していく。そのため、この本を読むことは、これまで身につけた「常識」との格闘に等しく、決して簡単に飲みくだせるものではないだろう(平易な文体ながら、私自身、理解するのにとても苦労した)。しかし、読み終わった頃には、私たちを既存の社会関係の中に縛り付け、過酷な労働へと駆り立てる力の根深さ、そしてそれを乗り越える方途が、よりクリアに見えるようになっているはずだ(岩波ジュニア新書編集部 2025:79)
おすすめ本『迷いのない人生なんて――名もなく人の歩んだ道』
現実世界は、よくわからないものです。意表を突かれたり、思い通りにいかなかったり、終わりなき旅です。こうした偉人伝でもなく、お涙頂戴でもないライフストーリーは、私たちを揺さぶろうとする意図を持ちません。私たちの感覚、知性、生き様に解釈を委ねてくれているのです(岩波ジュニア新書編集部 2025:109)
学ぶことの効用は「偏見を打ち破る」こと
何のために知識を学ぶ必要があるのかという問いには、さまざまな答えがありますが、学ぶことの一つの効用として「偏見を打ち破る」ことがあると思います。(中略)偏見は他人に対してだけでなく、自分に向けられることもあります。学校や社会で知らず知らずのうちに身につけた考え方や習慣によって、自分を否定的にとらえてしまうことがあります。偏見にかぎらず、自分や他人を押さえつけているものが何かを見きわめ、物事の成り立ちや、構造を理解するのに、知識はたいへん役に立ちます(岩波ジュニア新書編集部 2025:176)





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