高校生活100のアドバイス|「完璧主義」より「全力主義」であれ

高校生活100のアドバイス新書
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大人への入り口にさしかかり、多くの教科を学び、勉強に部活に忙しい。迷い悩むことも多く、いろいろな局面で適切な助言がほしい。そんなきみに100個の具体的なアドバイスを贈ろう。小テストへの取り組み方、苦手強化が好きになる方法、部活をつづける意味、休み時間の使い方など、高校時代をしっかりと過ごすキホンはこれだ!

東海林明(2009) 『高校生活100のアドバイス』裏表紙 岩波書店

今回紹介するのは『高校生活100のアドバイス』。

著者は東海林明さん、2009年に岩波書店から発売されました。

【どんな本?】
高校生活における様々な悩みに、常識的かつ本質的なアドバイスをしていく本。

【こんな人にオススメ】
・これから高校生になる人
・高校生の子を持つ親
・高校生活に馴染めなかった人

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『高校生活100のアドバイス』のあらすじ、内容

東北で40年近く高校教師をしてきた筆者は、自分が高校生だった頃と「現代の高校生」との間に本質的な違いはないと確信。

生活の基本の形、学校生活や人間関係で抱く悩みが同じなことに気づいたそうです。

それならば時代性や流行ではなく、本質として同じこと、大切なことをアドバイスとして発信することが、これから高校生活を送る人たちの助けになると考えました。

 

本書では全10章にわたって、高校生活で起こりうる悩みについて触れていきます。

1日の過ごし方、人間関係、勉強、試験、遊び、部活動での悩みや疑問。

高校生は知性、感性は大人レベルですが、純粋さやひたむきさは妥協を知らない子どものような状態です。

そこでぶつかる矛盾に折り合いをつけつつ、自分なりの答えを模索することの大切さが説かれていきます。

『高校生活100のアドバイス』で印象に残った箇所

『高校生活100のアドバイス』で印象に残った箇所は3つあります。

①完璧主義よりも全力主義
②「寸暇を惜しんで勉強する」という習慣を身につける
③自分を動かすのは自分

順に詳しく見ていきましょう。

①完璧主義よりも全力主義

入学してまもない四月の半ばに、新入生が一泊二日で研修をするのが恒例になっていて、その冒頭に設けられていたのが一時間の校長講話でした。いろいろと構想を練って話をするのですが、ある年、私は「完璧主義よりも全力主義でいこう」と言いました。(東海林 2009: 59)

筆者が講話で話した「完璧主義よりも全力主義」は生徒に好評で、その後のクラス目標を「全力一族」にしたクラスもあったそうです。

至言にして金言。

この言葉に出会えただけでも、本書を読んだかいがあったと思いました。

なぜなら、高校時代の自分が完璧主義をこじらせていたからです。

 

完璧を求めるスタンスは立派に見えますが、その実は逆だと思います。

そもそも物事を完璧にこなすことは不可能だし、その基準は非常に曖昧です。

自分で「これが完璧」と線引きして上限を決めるのはもったいないことだし、そこにたどり着いたかどうかの結果にしか価値を感じられなくなるのも危険な考え方です。

何より周囲の人たちを物差しにした比較が、モチベーションをそいで劣等感を強くさせる原因になりえます。

 

だから大切にすべきは満点を目指すことよりも、とにかく自分のベストを尽くすこと。

そうすることで周囲の目が気にならなくなるし、嫌なプレッシャーに悩まされずに済みます。

「完璧主義より全力主義」を、高校生の自分に教えてあげたかったです。

②「寸暇を惜しんで勉強する」という習慣を身につける

定期考査は単位不認定になるような低い点をとらないことや、できれば好成績をおさめることが目的になりますが、小テストは合格することが目的なのではなく、勉強のきっかけをつくり、勉強した結果を自分で確かめること、そして少しずつ力(知識の財産)を増やしていくことが目的です。だから、一回ごとの小テストのために真剣に勉強に取り組み、終わったあとで自分で勉強しなおす、そういうコツコツまじめな努力を蓄積していくことに意味があるのです。(東海林 2009: 99)

思い返してみると、高校時代は毎時間ほぼ小テストがありました(特に国語、数学、英語)。

休み時間中に大急ぎで範囲をさらったり、ノートで復習したり、わずかな時間を勉強に充てるのは習慣になっていました(付け焼刃もいいところですが…)。

このわずかな時間を有効活用する習慣は、大人になった今こそ大事にしなければいけません。

なぜなら、大人になってもまとまった時間をがっつり取れる状況はあまりないからです。

 

「まとまった時間が取れたら始めよう!」みたいな考え方だと延々と先延ばしができてしまいます。

やりたいことはむしろ忙しい時こそ始める、隙間時間を探し、捻出してそこに注力する。

いつか余裕ができたらの「いつか」は、待っていても来ないことに気づかなければいけません。

③自分を動かすのは自分

いろいろな人の言葉や姿勢は、あなたの心を励ますことはできます。それが大きなエネルギーになることもあります。しかし、実際に行動を起こすのはあなた自身です。あなたの心に変化を起こして、座りこんでいる自分を立ち上がらせるのは、あなた自身なのです。他人が自分を立ち上がらせたんじゃなく、自分の力で立ち上がったんだと思えなければ、ほんとうに自分を変えることはできません。(東海林 2009: 225-226)

つまずいて立ち直れない、変わろうと思って変われない、勉強や部活を頑張れない。

他人はそういった悩みを聞いてはくれますが、解決はしてくれません。

結局のところ、自分が動かないと何も変わらないんですね。

 

とはいえ、誰だってそのことはよく分かってはいるはずです。

それでも動けない、変われないのが普通だと思います。

それでは、どうすれば自分から動けるようになるか、この悩みを乗り越えられた人だけが成長していけるのでしょう。

『高校生活100のアドバイス』の感想

①高校生活で身につけたスタイルは、その後の人生でもそのまま使える

規則正しい生活を送る。

よく学びよく食べよく寝る。

孤独を恐れない、けれど孤立するのは避ける。

コツコツと努力する。

完璧主義より全力主義。

 

模範的な高校生、模範的すぎるくらいに模範的で健全な高校生のスタイル。

このスタイルは大人になっても大切にした方がいいと思います。

②高校での後悔や失敗は、その後の人生に根深く残る

高校での後悔や失敗はその後の人生にも暗い影を落とす。

これは自分自身の経験上よく分かります。

30を過ぎても高校時代の夢でうなされたり、高校時代を思い出して憂鬱になったりします。

 

この悩みに対して筆者は以下のように述べていました。

「心のどこかに苦い思いやこのままではダメだ、という自覚が育っているなら、それも高校時代の貴重な収穫だと思うのです(東海林 2009: 213)」

たしかに、辛い気持ちがあったから自分を変えようと思えたり、何かを頑張れたりすれば、その挫折は大切な経験だったと言えるようになります。

それ自体が強者の論かもしれませんが、そうすることでしか苦い過去は消化できないだろうと薄々感じてはいます。

 

ただ、何も解決しなくても息苦しかった高校時代に感謝できる点もあるんですよね。

たとえば、人生が苦しくて仕方ないときに本を読み漁っていたら、めちゃくちゃ面白い本を見つけた時など。

それが面白いという感覚も、人生が苦しくなければ面白いと感じなかったかもしれないので、皮肉なものです。

健やかにまっすぐ高校生活をエンジョイできていたら見向きもしなかったような部分に意識が向いたのは、パンドラの箱的な唯一の希望だったかもしれません。

③プレーンな物差しとして知っておいた方がいい

本書に書かれているアドバイスはとにかく常識的で健全です。

お利口さんな道徳講座のようになっています。

斜に構えた思春期であれば、適当に聞き流してしまうかもしれません。

 

ただ、大人目線で見ると、当たり前だけど大切なことばかり言ってることがよく分かります。

なんなら大人こそ身につけていなければいけない素養だと思います。

だからこそ、高校生のうちに……ということなのでしょう。

もしも、高校生の時分にこの本に触れたのなら、とりあえずの価値基準として内容を頭に入れておくことをオススメします。

まとめ

「高校生活のガイド本は今の自分に必要ないのでは?」

そんな風に考えながら、高校時代にいろいろ残してきたというか、いろいろ止まってしまったような自分には身になるアドバイスがあるはずだと思い読み始めました。

アドバイスのいくつかはそこまで重要でない気もしましたが、ところどころに金言が転がっており、大人の自分が読んでも学びが多かったです。

 

高校時代、よく「実社会で役に立たなそうなのに、何で勉強しなきゃいけないんだろう」と考えていました。

その答えは今でも難しいのですが、勉強を通して「勉強家」になることが一つの目的だと思います。

勉強したことが直接役立つシーンは少ないかもしれませんが、スタンスとして「勉強家」は何をやる場合でも大切です。

地味でお利口さんで当たり前かもしれませんが、根っこ部分に勉強家な自分を飼っていたいですね。

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