【感想・レビュー】『まるむし帳』まる子は詩人でもあったんだなぁと感じた話

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まるむし帳』を読みました。

著者はさくらももこさん、文庫版、発売は2003年、集英社から。

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内容/あらすじとか

ぽかんとしていたり、ごろんとしていたりしたときにできた詩は、ノートに書いておきました。ぽかんとしてたりごろんとしてたりする時は、ますますいつもより丸くなっているので、このノートは“まるむし帳”と名付けました―。」生きていることの不思議に想いをはせ、遠い昔の記憶をいつくしむ、著者初の詩画集。詩人・谷川俊太郎氏と“世界のはじまり”について語り合った巻末対談を収録。

さくらももこ(2003)『まるむし帳』裏表紙,集英社

『まるむし帳』の感想/レビュー

些細な日常の中に永遠を見ることができる筆者の鋭い感性が光ります。一粒の雨が海の水だった頃の記憶に思いを馳せたり、ふっと吹いた風が世界を一周してきた風だと想像する。時にはいじめられているクラスメイトから、その背後にいる父母の悲しみまで見えてしまう。筆者の視点は常に目に見えない範囲までとらえており、詩人としての悲しみと喜びが凝縮されたような一冊になっています。

目に見えないけど大切なことは、目に見えないからこそ、想像力を働かせて目をこらすしかありません。その想像が今の自分を支えたり、他者の痛みに寄り添う優しさになっていくのだと思いました。

『まるむし帳』のハイライト/印象に残った箇所

「かぜ」

いつか
うれしいときに出逢った風が
世界一周して帰ってきて
つまらないわたしの肩を
ポンポンたたくので
ふりむいたときは
ゆっくりゆっくり笑いながら
わたしのうれしかったときと
いろんな人のうれしいを
おみやげに持ってたよ。

「たかし君」

いじめられてる
たかし君が
泣いている。
たかし君のシャツは
きいろくて
小さい小鳥のマークが
ししゅうしてある。
そでが よごれているよ。
たかし君の
おかあさんが
たかし君のために
着せてくれたシャツ。

『ちびまる子ちゃん』の生活感あふれる話とはかなりギャップがある、詩人としてのさくらももこ。

逆にこの側面こそが彼女の真骨頂で、ほのぼのしながら本質を突くコジコジの世界観や、漫画の扉絵などにも深淵な想像力を垣間見ることができます。

静岡市で開催された「さくらももこ展」に行ったとき、「回らない寿司屋で7万5千円請求されて宇宙が見えてる友蔵」の缶バッチを買っておけばよかった…。

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